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【最終回】「走る練習」だけでは速くならない?遊びが「最速の走り」に変わるメカニズム

家族で遊ぶの大事!
家族で遊ぶの大事!

こんにちは!最近息子がトミカにハマったのでパトカーを買って開封後30分で紛失してショックなかけっこ教室のさいとうコーチです。泣



「36の基礎運動」をテーマにお届けしてきたこの連載も、今回がいよいよ最終回です!

第1回では「運動神経の正体」を、第2回で「3つの動きのバランス」についてお話ししてきました。

ここまで読んでくださった熱心な親御さんなら、もう「一つのスポーツだけやらせておけば安心」という考えはなくなっているはずです。



でも!最後に一つだけ、大きな疑問が残っていますよね?

「いろいろな遊びが大事なのはわかった。でも、それって本当に『かけっこ』に関係あるの?」

「遠回りせずに、走る練習をたくさんした方が、やっぱり速くなるんじゃない?」

今回は、そんな疑問にズバリお答えします。

結論から言うと、「走る練習だけを繰り返しても、ある一定のラインで成長は止まります」

なぜ遊び(基礎運動)が「最速の走り」に変わるのか。そのメカニズムと、明日からできる「最強の遊び」をご紹介しましょう!




かけっこは「全身運動のパズル」である

多くの人が勘違いしていますが、「走る」という動作は、ただ足を前後に動かしているだけではありません。

実は、前回分類した「3つのカテゴリー」すべてが複雑に組み合わさった、高度なパズルなのです。

少し分解して見てみましょう。



1. バランス(平衡系)能力がないと…「エネルギー漏れ」が起きる

走っている最中、足が地面に着く瞬間には、体重の数倍もの衝撃がかかります。

この時、バランス能力(体幹や姿勢維持)が弱いと、衝撃に耐えきれずに身体がグラつきます。

  • 結果: グラつきを直すために無駄な力が使われ、せっかくのパワーが地面に伝わらず逃げてしまう=(エネルギー漏れ)。

  • 対策: 「平均台遊び」や「相撲」でバランス感覚を養うと、「ブレない軸」が手に入ります。



2. 操作(操作系)能力がないと…「推進力」が生まれない

「走るのに、物を扱う能力(操作系)が必要なの?」と思うかもしれません。

しかし、速く走るためには、腕をタイミングよく振ったり、足の接地ポイントをミリ単位でコントロールしたりする「器用さ」が必要です。

  • 結果: 腕と足のリズムがバラバラになり、ドタバタ走りになる。

  • 対策: 「ボール投げ」や「お手玉」で、自分の体をイメージ通りに動かす器用さを養うと、「スムーズな腕振り」が手に入ります。



3. 移動(移動系)能力がないと…「バネ」が使えない

ただ走るだけでなく、「跳ねる(ジャンプ)」や「スキップ」の動きが含まれています。

地面からの反発をもらって進むには、走る以外の移動感覚が必要です。

  • 結果: ベタベタとした重たい走りになり、スピードに乗れない。

  • 対策: 「ケンケンパ」や「縄跳び」でバネの感覚を養うと、「弾むような走り」が手に入ります。


つまり、かけっことは「ブレない軸(バランス)」で、「体を巧みに操作(操作)」し、「地面の反発をもらう(移動)」動作の集大成なのです。



ただ走るよりも効果的!「ハイブリッド遊び」のススメ

「じゃあ、全部の遊びをやらなきゃいけないの!?」

ご安心ください。これらを効率よく鍛えるのが、複数の要素を組み合わせた「ハイブリッド遊び」です。

週末、公園でお子さんと一緒にやってみてください。


「ライン鬼ごっこ」= バランス × 移動

ただの広場ではなく、地面に引かれた線(ライン)の上や、花壇の縁石の上など、「足場が制限された場所」で行う鬼ごっこです。

  • 効果: 落ちないようにバランスを取りながら、急いで逃げる(移動する)必要があるため、走りながら姿勢を制御する高度な能力が身につきます。


「ボール運びリレー」= 操作 × 移動

ボールを2つ抱えたり、ラケットの上にボールを乗せたりして走る競争です。

  • 効果: 物を落とさないように力加減を調整(操作)しながら、全力で走る(移動)。身体の上下で別々の動きをする「協調性」が育ちます。


「いろいろスタート競争」= 平衡 × 移動

「よーいドン」の姿勢を毎回変えます。

うつ伏せ、仰向け、体育座り、後ろ向き…。合図が鳴ったら素早く起き上がってダッシュ!

  • 効果: 崩れた姿勢から瞬時に重心を整えて(平衡)、走り出す(移動)。スポーツの試合中に転んでもすぐに復帰する瞬発力にも繋がります。



「動きの図鑑」を埋めた子が、最後は勝つ

私がコーチとして子供たちに指導する時、最も大切にしているのは「動きの引き出し(図鑑)を増やすこと」です。

「走る練習」ばかりしている子は、図鑑の「走る」のページだけがボロボロで、他のページは真っ白です。これでは、壁にぶつかった時に応用が利きません。


一方、いろいろな遊びをしてきた子は、図鑑の全ページが埋まっています。

コーチが「もっと腕をこう振ってみよう」とアドバイスした時、「あ、それはボールを投げる時の感覚に似ているな!」と、他のページからヒントを持ってこれるのです。

これが、第1回からお伝えしてきた「運動神経が良い子」の正体であり、点と点を線に繋げるようなことをトップアスリートが幼少期に多様な経験をしている理由です。



全3回連載のまとめ

長くなりましたが、最後までお付き合いいただきありがとうございました。

この連載を通して、皆様に伝えたかったことは一つです。

「遠回りに見える『遊び』こそが、お子さんの可能性を広げる最強のトレーニングである」

  1. 理論編: 36の基礎運動は、すべてのスポーツのアルファベット。

  2. 分析編: 早期専門化のリスクを避け、バランス・移動・操作を偏りなく育てる。

  3. 解決編: 遊びで培った多様な動きが組み合わさり、結果として「速く走るフォーム」が完成する。

明日から、「遊んでばかりいないで練習しなさい!」と言う代わりに、こう言ってみてください。

「今日はどんな『新しい動き』で遊ぼうか?」

それが、未来のスーパーアスリートを育てる第一歩になるはずです。



【お知らせ】

「もっと具体的な遊び方を知りたい!」

「うちの子の走り方を直接見てアドバイスしてほしい」

そんな方は、ぜひ一度、私たちの教室へ遊びに来てください。

36の基礎運動を取り入れた独自のプログラムで、お子さんの「できた!」の笑顔を引き出します。


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